シンポジウムでは,石井学長の挨拶の後,文部科学省科学技術・学術政策局の斉藤卓也産業連携・地域支援課長が,「文部科学省における産学連携の取組について」と題し,大学を取り巻く様々な状況や産学連携・地域支援政策,前任の徳島大学の取組紹介のほか,今後の方向性等について講演を行いました.
続いて,「産業イノベーション創造演習」を履修した5チーム15名の学生から,①クローゼット型乾燥機の作成及び評価②車載リチウムイオン電池をリユースした高齢者向けモビリティ③ボールジョイント樹脂部品の応力除去の新しい方法の確立④溶剤塗装マスキング治具塗料の剥離方法の検討⑤オートバイのエンジン音の特徴量抽出と嗜好分析について成果発表があり,活発な質疑応答が行われました.
各チームを支援いただいた企業関係者からは,「リアルに<モノを作る>機会が少ない現代で,あのように考え,線を引き,部品を買いに街に出て,組み立てて,失敗して,また考える.学生さんにとっては,メーカー企業に入社した時に初めてわかる重要な経験だと思う.」「このような取り組みが全国に展開し,日本技術の復興が加速して欲しい.」「民間企業も<日本を強くするためには?>を経営の2番目において考え,日本の知の集結地である大学を活用し育て,そこで育った学生を採用して企業が発展するという循環を回し始めたい」.等のコメントをいただきました.また,プログラムを履修した学生からは,「演習に取組む中で実際に企業で働く人の見方や意見が参考になった.」「地元企業と研究のできる貴重な体験であり,実習内容はとても満足のいくものであった.」「企業の方と密に連絡を取りながら物づくりに取組むというなかなかできない経験を学生時代に得ることができ,とても身になった.」等の声が聞かれました.