去る10月31日(水)に,沼津市のプラサヴェルデ コンベンションホールにて,COC+事業東部地域拠点校である沼津工業高等専門学校を幹事校として,静岡COC+連携協議会東部ブロック事業シンポジウムが開催されました.
本シンポジウムは、「地域のモノづくり人材確保」をテーマに,基調講演,事例紹介,パネルディスカッションを実施し,産官学金から多くの関係者に加え,沼津工業高等専門学校の4年生200人が聴講するなど,計300人余りが参加しました.
先ず始めに,沼津市長の賴重秀一様より,本シンポジウム開催に対する期待感に溢れた御祝辞をいただいた後,第1部がスタートしました.
基調講演では,愛尓希(アイエルシー)(大連)科技有限公司 董事長兼総経理の土居公司氏(元オムロン執行役員 中国有限公司 董事長兼総経理)より「地域の人材確保に向けて~グローバルな視点から~」をテーマに講演をいただき,長年中国で活躍されてきた視点からグローバルで活躍する人材の育成について説明をいただいた他,日本における国外の人材採用の必要性についても触れられ,その実現のためには、異文化への理解を深めることが重要であるとのお話がありました.
次に,東部地域での事例紹介として,沼津工業高等専門学校の小林隆志副校長,富士宮市役所商工振興課長の植松康夫氏,沼津信用金庫経営支援部長の武田守晃氏,そして株式会社エステック代表取締役の鈴木誠一氏より,インターンシップ・就職支援の実施状況,郷土愛を深めるための若年層からの教育的支援の必要性について,企業間の情報共有のためのガイドブック作成等の地域支援策,また東部地域の企業が一か所に集まって,航空宇宙産業界で活躍する取組みについての提案など,それぞれの立場での特色ある事例について発表がありました.
第2部におけるパネルディスカッションでは,土居氏をコメンテーターに,先の事例紹介をいただいた植松氏,鈴木氏に加え,電気通信大学学務部学生課の堀本雅章氏,また静岡県内企業への就職が内定した学生代表として,東海大学工学部動力機械工学科4年生の伊藤駿さん,沼津工業高等専門学校制御情報工学科5年の池田有希さんをパネリストとしてお迎えし,長縄一智沼津工業高等専門学校制御情報工学科教授の進行のもと,若年層の県外への流出を食い止める方策や,県内への流入を増加させる手段などについて意見交換を行いました.その中で,学生からは,「地域にやりたい仕事がある企業が見つかった」,「インターンシップがきっかけで就職を強く意識するようになった」など,地域の就職を意識した理由についてお話しがあったほか,他のパネリスト及びコメンテーターからは,若者が静岡県に住みたくなるような環境づくりの必要性や,企業誘致などによる産業の活性化が重要なことに加え,県外に流出した若者を都会で教育を受けた後に地元に戻すための方策を施すことが最も重要であるなど,県下一体となった体制作りの必要性についての意見などがありました.
また,このディスカッションにおいては,初めての試みとして,沼津工業高等専門学校生200名にスマートフォンを利用した県内就職に係るアンケートを実施することで,参加者に学生の現在の心境がダイレクトに伝わり,大いに盛り上がりました.
閉会に際しては,岸本道明静岡COC+事業推進コーディネーターより本会の講評をいただき,本シンポジウムは盛況の内にその幕を閉じました.